世界とつながるアート
「音楽を描いてみたいです。」
日本語でしたが、フランスからの突然のメールでした。
コンセルヴァトワールでピアノを教えている先生で、たった1人で渡仏し、もう17年フランス在住らしく、「大好きな音楽を描いてみたい・・」というストレートなご希望でした。きっと、お客様にとって音楽は人生。大切な思い入れがあるんですね。
色々と事前にお話して、画材は現地で調達していただくことに。Amazonのフランス版で、海外のオイルパステルを調べて、なるべく専用に近そうなものを四苦八苦して提示。大事なのは、画材が何であれ、のびのびと自由に描くことを楽しんでもらうこと。またそこには、国や地域は関係ないですね。
7時間の時差を楽しみながら、セッション前に、「こんな画材ですよ~ヴァカンス中です、南仏から写真送ります~、九州は雨ですよ~こちらフランスは水不足ですよ」~など、お互いにやりとりをしながら準備をしました。
9月16日セッション初回。クラシックがご専門のコンセルヴァトワールの先生のご自宅部屋にはやはりグランドピアノがあり、画面越しでも雰囲気たっぷり。目の前の画面は明るい日差しの昼間、振り返る窓の外は夜という時差。間を置きながら話す気遣いは必要でも、距離を感じさせないオンラインはすごいものです。同い年だとわかり、あらまぁ、にっこり。海外に留学した理由など色んな話をして、ご希望だった「音楽を描く」。曲は何がいいかなぁと悩んで、クラシックオーケストラから二曲を選択。
「現代音楽みたいになったわ」
「不協和音が好きなので、紙もくしゃっとさせてみたら、どうなるかしら」
音楽を聞きながらカットし、コラージュするだけでも表現であり、満足感が高かったようでした。
音楽×美術の融合、余白や空間=休符、混色=和音、線=音色、点=スタッカートなど、表現の仕方は違うけれど、音楽と美術に共通したものを感じました。また、先生の中で「美術やダンスなどを含んだ総合的、感覚的な音楽教育を」「技術だけによらない感性を育てる音楽教育」をしたいという思いがあることを知り、とても感銘を受けました。感じたことを表現する臨床美術を通して、音楽と美術が響き合っているようでした。
《今ここ》に、世界をつなげてくれる芸術って、素晴らしい🎨
そして、世界とつながるオンラインアート、素敵なツールだなぁと改めて思います。
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「音のアナログ画(切り絵) 」
デモンストレーション作品
1.《ラプソディ・イン・ブルー》
ガーシュウィン
2.《交響曲第7番イ長調Op.92第1楽章》
ベートーヴェン
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