県立高校での3年間
コロナ禍と共にスタートした福岡県立ありあけ新世高等学校定時制「ともしび祭」第1部でのワークショップ担当。3年間(2020年~2022年)担当させていただき、今年がラストの年でした。
3年前は、話しかけても反応が薄かった生徒さんが、今年は他の生徒さんの作品を見て、自分の言葉で感じたことを伝えてくれました。その嬉しさは、言葉になりませんでした。
1年目は「いろいろな線と色であそぼう」(オイルパステル)、2年目は「りんごのオブジェ」(粘土立体)、そして最後は「宇宙を描く」(アクリル)をみんなで制作しました。
定時制の生徒さんたちは、夜に高校に通います。疲れた体で、気持ちがふさぎそうな時に、ふと夜空を見上げることがあるかもしれません。そんな時、夜空の向こうの宇宙から、何億光年もかけ光を届けている星たちのように、時間はかかっても、焦らずに自分の光を放ってもらいたい、という願いと希望を込めて、この「宇宙を描く」作品をラストにしました。校長先生が、終わった後に「私の話が心に響いた」と、伝えてくださったことが、思いがけず嬉しい出来事でした。
実施後アンケートでは、肯定的な意見が多くみられました。
「作品には満足がいきましたか?」の問いに、「満足できた」「やや満足できた」合わせて100%の回答。そして「この講座を受けて美術が好きになりましたか?」の問いでは、93.8%が「好きになった」「やや好きになった」と回答しています。
感想を一部ご紹介します。
「立ちっぱなしでありながらも、最後まで明るく私たちに話しかけてくれて、そして作品を褒めてくれてありがとうございました。」
「普段あまり話すことのない同級生や先輩と対話をしながら同じテーマで違うものを創る。全日制ではなかなか受けることのできないものだと思うので、貴重な経験を活かしていきたいです。」
「臨床美術楽しかったです。ありがとうございました。」
思えば、私自身が、生徒さんたちと接することで、励まされてきたのではないでしょうか。心から本当にありがとうございました。
事前の打ち合わせから様々な当日のサポートまで、前川先生はじめ現場に関わってくださった先生方には、心よりお礼申し上げます。
最後に、生徒さんたちにエールを送る気持ちで
アンジェラ・アキ 『手紙~拝啓 十五の君へ~』の曲を送ります。よかったら聴いてみてくださいね。^^
(歌詞の一部)
「自分とは何でどこへ向かうべきか
問い続ければ見えてくる。
荒れた青春の海は厳しいけれど
明日の岸辺へと夢の舟よ進め。
今、負けないで泣かないで、消えてしまいそうな時は
自分の声を信じ歩けばいいの。
今を生きていこう。」
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